装飾グッズ

タイでバイク装飾がブームに?

タイカブの国

タイというと、微笑みの国であり国民が熱心な仏教徒であるというのがイメージなのですが、バイクマニアにとってはタイカブの地として有名です。

タイカブとはホンダがタイで生産したスーパーカブの通称で、最近ではタイで生産されたバイクの俗称にもなっています。

ホンダスーパーカブ100から始まったタイでの生産は、現在ではWave110へとカブとは思えないスタイルに変化しています。
そしてタイというと、街中を走るバイクの多さがあげられます。

バイクの多さもさることながら、二人乗りは当たり前。
三人乗りや、その車体から大きくはみ出した荷物の多さなど曲芸に近いような姿は、日本ではまずお目にかかることはできないものです。

平均年数や国民事情、首都バンコクの人口密度や交通事情を考えると、仕方ないといえないでもないのですが、交通安全に関しては遅れているようです。

マニアとしてはそのようなイメージが強く、ビジネスバイクやスクーターが溢れているが荷物運びや人の運搬ような実用的な改造ばかりと思っていました。

もはや芸術の粋

少し前のニュースだったのですが、タイで装飾バイクがブームになっているという記事がありました。
日本の装飾バイクというとLEDなどの装飾や、エアロパーツ、アニメやゲームのキャラを描いた痛単車などを思い浮かべました。

世界を見渡してもハーレーの外装を18金でメッキしたり、パーツを工具や廃品で作ったものがありましたが、いずれもバイクということは理解できます。

少し前に漫画「AKIRA」の登場人物が載るスクーターや、映画「トロン」にでてきたスクーターが製作されていましたが、未来の乗り物という形であるもののバイクであることは分かりました。

このタイの装飾バイクで特に人気なのが、ルーングロジナ・サングウォングプリサーンさんが作るバイクです。
リサイクル部品を使い製作し、海外からも注文があるとのことでしたが、写真をみて驚きました。

驚いたというより、ぶっ飛んだといっても過言ではありません。
バイクという概念はまるでありません。
それどころか、走るという概念さえありません。

日本の暴走族が車を「それどこで走るの?」と思える改造をやっていた時代がありました。
実際には低速でしか走れなかったのですが、しかしそのコンセプトにはわずかですが「走り」は見えたのです。

サングウォングプリサーンさんのバイクは、まるで山車です。
かろうじてタイヤは見えているものの、芸術ともいえるようなオブジェの中にバイクが入っている、バイクが作品に包まれているような感じです。

車検制度がある日本ではまずこのようなバイクが走れません。
バイクの本場である欧州やアメリカでもこのようなバイクは、まず見かけることはないでしょう。
タイが生んだ装飾バイクは、バイクの概念を超え、新しいバイクの形を作ったのかもしれません。