ホンダが2023年に発表したスクランブラーモデル「CL250」は、日常使いからアドベンチャーライドまで幅広いシチュエーションに対応するバイクとして注目されています。その魅力は、ホンダの歴史あるスクランブラーシリーズを受け継ぎながらも、現代のライダーに合わせた改良が施されている点にあります。本記事では、CL250の特徴、シリーズの歴史、そして評価について掘り下げます。
特徴:オンロードとオフロードの境界を越える設計
CL250の最大の特徴は、その多用途性です。普段の街乗りはもちろん、フラットなダートや軽い林道といったオフロード走行も楽しむことができる設計が施されています。これは、特に以下の要素によるものです。
アップマウントされたサイレンサーとクラシックなスタイル
CL250には、レトロでタフな雰囲気を醸し出すアップマウントサイレンサーが採用されています。エグゾーストパイプが車体を高く通ることで、地面からの干渉を受けにくく、軽いオフロードでも安心して走行可能です。また、タックロール風のシートやワイドハンドルといったデザイン要素が、クラシックなスクランブラースタイルを演出しています。
扱いやすさに配慮した設計
CL250は、249ccの水冷単気筒エンジンを搭載しており、最高出力は24馬力。これにより、初心者からベテランまで扱いやすいパワー特性を実現しています。さらに、アシスト&スリッパークラッチの採用により、クラッチ操作が軽減され、ダウンシフト時の後輪の安定性が向上。これが、オンロード・オフロード問わず快適なライディングに貢献しています。
足つきの良さと快適性
CL250のシート高は790mmと低めに設定されており、幅広い身長のライダーに対応します。さらに、ブロックパターンタイヤを装着した19インチのフロントホイールと17インチのリアホイールが、路面追従性を高めると同時に、安定感のある走行をサポートします。
シリーズの歴史:受け継がれるホンダのスクランブラースピリット
CL250は、ホンダのスクランブラーモデルの伝統を受け継ぐ存在です。そのルーツは、1960年代のドリームCLシリーズにさかのぼります。
ドリームCLシリーズ
1962年に登場した「ドリームCL72スクランブラー」は、ホンダのスクランブラーシリーズの原点となるモデルです。当時は、荒れた道をものともせず走破する性能が求められる時代で、CL72はその期待に応える設計が施されていました。このモデルがホンダのスクランブラーのアイコンとなり、その後のシリーズにも影響を与えました。
CL400からCL250へ
1998年には「CL400」が発売され、再びスクランブラーとしての新たな展開が見られました。その後、長らく国内市場向けのスクランブラーモデルが途絶えていましたが、2023年に「CL250」として復活。この復活は、多くのライダーにとって待望の出来事であり、レトロスタイルのスクランブラーが再び注目を浴びるきっかけとなりました。
評価:現代のニーズに応える進化
CL250は、発売後すぐに多くのライダーから高い評価を得ています。その理由は、デザイン、性能、価格帯のバランスが優れているからです。
デザインの魅力
レトロなスクランブラースタイルを忠実に再現しつつ、モダンな要素を取り入れたデザインが多くの支持を集めています。特に、ヘッドライトカウルやアップフェンダーといったオプションパーツが充実している点は、カスタムを楽しみたいライダーにとって嬉しいポイントです。
実用性とコストパフォーマンス
燃費性能は47km/L(60km/h走行時)と高く、日常的な使用にも適しています。また、新車価格帯が約46万8000円から68万7500円と手が届きやすい設定になっており、初めてバイクを購入する人からセカンドバイクを探しているライダーまで、幅広い層に訴求しています。
オフロード性能と快適性
フラットなダートや軽い林道を楽しむだけでなく、舗装路での快適な走行性能も兼ね備えています。特に、シート高とサスペンション設定のバランスが良く、長時間のツーリングでも疲れにくいと評判です。
まとめ:CL250が切り開く新しいライディング体験
ホンダのCL250は、スクランブラースピリットを現代に受け継ぎつつ、より多くのライダーに愛されるバイクへと進化しました。そのデザインと性能はもちろん、リーズナブルな価格設定や多様なシチュエーションで楽しめる汎用性の高さも魅力です。
オンロードとオフロードの垣根を越えた自由なライディング体験を求めるなら、CL250は間違いなく選択肢に加えるべき一台です。その魅力を実際に体感し、新たな冒険に踏み出してみてはいかがでしょうか?