カワサキのエリミネーターシリーズは、その独自のスタイルと実用性で幅広いライダーに愛されてきました。その中でもエリミネーター125は、手頃なサイズ感と扱いやすさを備えた原付二種モデルとして注目されています。本記事では、エリミネーター125の特徴やシリーズの歴史、そしてユーザーからの評価について詳しくご紹介します。
特徴:小排気量ながら本格的なアメリカンクルーザー
エリミネーター125は、その名の通り、アメリカンクルーザースタイルを採用しています。車体は全長2150mmに達し、ゆったりとしたシルエットが特徴です。このサイズ感は一見、125ccとは思えないほどの存在感を放っています。
また、エンジンには124ccの空冷4ストローク単気筒が搭載されており、最高出力7.3PSを発揮。これにより、街中の通勤やツーリングはもちろん、ちょっとした遠出にも適した性能を持っています。
優れた実用性
13Lの燃料タンクを備え、約572kmもの航続距離を実現(条件により異なります)。これにより、給油の頻度を減らし、長時間のライドを快適に楽しむことが可能です。また、シート高が680mmと低く設計されているため、ライダーの身長に関わらず足つきが良く、初心者にも扱いやすいバイクといえるでしょう。
スタイリングの魅力
デザインはクラシカルでありながらも洗練されており、全体に流れるようなラインが美しいです。1997年の登場時から一貫してクルーザースタイルを守りつつ、細部にモダンなアプローチを取り入れたバランスが絶妙です。
シリーズの歴史:エリミネーターの系譜
エリミネーターシリーズは1980年代に誕生しました。その名の通り「排除するもの」という意味を持ち、時代を切り拓くような革新性と独自性を体現しています。
原点:排気量別の展開
エリミネーターシリーズは、初期には250ccから900ccまで幅広い排気量のモデルが展開されていました。それぞれのモデル名に排気量の数字が含まれているのが特徴でしたが、エリミネーター125ではその命名規則をあえて外しています。
原付二種モデルとしての進化
1997年にエリミネーター125が登場。当時、ドイツをはじめとする国々では、普通自動車免許で125ccまでのバイクが運転可能という制度がありました。この市場ニーズに応える形で、原付二種クラスとしては大柄なエリミネーター125が設計されたのです。
日本国内だけでなく、ヨーロッパなどのグローバル市場に向けて生産され、実用性とデザイン性が評価されました。なお、生産はタイのカワサキ工場で行われ、コスト効率の良い製造が実現されました。
2008年:シリーズの幕引き
排気ガスや騒音規制に対応したモデルチェンジを繰り返しつつ、エリミネーター125は2008年までラインアップされていました。この年のモデルチェンジで最終バージョンが発表され、生産終了を迎えます。これにより、エリミネーターシリーズの125ccモデルは惜しまれつつもその役目を終えました。
評価:ライダーからの支持
エリミネーター125は、その高い実用性とデザイン性から、ライダーたちの間で高い評価を得ています。特に評価されているポイントについて見ていきましょう。
高い燃費性能
国土交通省届出値で44km/Lという燃費性能は、多くのライダーにとって魅力的なポイントです。実際の使用環境では条件によって変動しますが、長距離ツーリングにおいても経済的に走行できる点が好評です。
初心者に優しい設計
低めのシート高や取り回しの良さから、エリミネーター125は初心者ライダーにとって理想的な選択肢です。重量は132kgと軽量で、クラッチ操作もスムーズ。初めてのクルーザーバイクとして選ばれる理由がここにあります。
豊かなカスタマイズ性
エリミネーター125はカスタムパーツが豊富で、自分好みのスタイルにアレンジしやすいモデルでもあります。クルーザーならではのパーツ変更や、塗装のアレンジを楽しむライダーも多いようです。
終わりに:エリミネーター125が持つ普遍的な価値
エリミネーター125は、ただの原付二種ではありません。その魅力は、デザイン性と実用性、そしてシリーズ全体が持つ歴史に裏打ちされた特別な存在感にあります。現在では中古車市場でしか手に入れることができませんが、その分、愛好家にとっては希少価値のある一台といえるでしょう。
通勤用としても、趣味のツーリング用としても活躍できるエリミネーター125。このモデルに乗ることは、クルーザーの世界に足を踏み入れる第一歩として、忘れられない経験になるに違いありません。